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2022.09.21
80年の歴史を誇るエレガントな腕時計『エクストラ・フォルト』
様々なブランドがしのぎを削る時計業界において、ひとつのコレクションを80年間続けてきたブランドが存在することを、どれほどの方がご存じでしょうか。
エベラールの『エクストラ・フォルト』は1940年代に発表され、80年の歴史を誇るロングセラーモデル。
業界で初めて「スポーティ・エレガント」のカテゴリーを創り、歴史に名を残した時計としての精神と魅力を保ち続ける名作として、世界中のヴィンテージウォッチコレクターに愛され続けるモデルでもあります。
この記事では、エベラールの時計製造の歴史において最も特別なコレクションである『エクストラ・フォルト』の歴史を紐解いていきます。
超強力な時計、『エクストラ・フォルト』
『エクストラ・フォルト』が生まれたのは1940年代。
1930年代にエベラールのクロノグラフがイタリア海軍の将校用の時計として採用され、オフィサーズ・ウォッチとしての地位を確立しつつあった時代のことでした。
『エクストラ・フォルト』という名称は、ラテン語で「とても」を表す「Extra」に、フランス語で「強い」を表す「fort」を組み合わせた造語です。
当時の腕時計は、スチール製にしてもゴールド製にしても軽く、強度的な不安が残るものばかりでした。
エベラールは、腕時計を身に着けるという文化を社会に浸透させていくためには、時計の強度を改善しなければならないと考えます。
どうすれば時計をより丈夫にすることができるかを考え抜いた結果、ヒンジ付きケースを使った二重構造のケースバックを考案。
ムーブメントの耐衝撃性を高めるインカブロック・システムと併用することで、時計の強度を上げることに成功します。
こうして完成した時計を『エクストラ・フォルト』(超強力)と名付けました。
1943年製の『エクストラ・フォルト』
K18ゴールド製。3つのインダイヤル。シルバーメッキの文字盤には、12個のアラビア数字と浮き彫りの丸いマーカー。
2時位置にクロノグラフ機能のプッシャー、4時位置に中間タイムを読み取るためのスライド式ボタン。
タキメーター・スケール(1000mベース)、手巻き機械式ムーブメント。
1950年代の『エクストラ・フォルト』
K18ゴールド製クロノグラフ。シルバーカラーの文字盤に12個のアラビア数字と浮き彫りのマーカー。
3時位置に分カウンター、6時位置に時カウンター、9時位置にコンティニュアス・セコンドを配置。手巻き機械式ムーブメント。
1940~50年代の『エクストラ・フォルト』の広告
K18ゴールド『エクストラ・フォルト・クロノグラフ』1951年製。
シルバーカラーの文字盤にレリーフ状のマーカー、3時位置に分カウンター、9時位置にコンティニュアスセコンド。2時位置にクロノグラフのスタートとストップのプッシャー、4時位置にクロノグラフ機能のリセット。手巻き機械式ムーブメント。
世界大戦後のスイス時計製造の聖地 ラ・ショー・ド・フォンは、徐々に民間向けの生産が再開され、企業も新たな雇用を生み出し始めました。特にファッション業界は速いペースで変化していったといいます。
1947年2月に創業60周年を迎えたエベラール。その前年、1946年から1956年までの10年間は、既存モデルをより現代的に洗練させていくリニューアルが次々と行われ、エベラールを現代まで続くブランドへと導くコレクションの数々が発表されていきます。
ダブルクロノグラフの『エクストラ・フォルト』をはじめ、『コントダット』や『コントグラフ』コレクションも発表。
また、この時期にデプラ社に独占的に生産を依頼した独自のキャリバーは20世紀を代表する傑作のひとつとされています。
このムーブメントはコラムホイールを備えた14インチ(35.56cm)で、『エクストラ・フォルト』の新モデルにも使用されました。
厳しい時代にあっても、メゾンが綿々と紡いできた歴史、そして職人達が磨き続けてきた技術力によって、エベラールは新時代を切り開いていきました。
1960年誕生の『エクストラ・フォルト』ダブルクロノグラフ。K18製。
3つのインダイヤルにクロノグラフプッシャー。手巻きの機械式ムーブメント。
1960年代以降の『エクストラ・フォルト』は、耐久性に優れた素材の開発や製造技術の発展に伴い、ヒンジ付きケースの仕様から現代のケースバックに変化していきます。
2004年発表の『エクストラ・フォルト・グランデイト』は、シースルーバックのモデル。
K18ゴールド製のクロノグラフ、コラムホイール。サファイアガラス越しに自動巻きの機械式クロノグラフムーブメントを見ることができます。
2011年発表の『グラン・タイユ』は、1940年代に誕生した初代エクストラ・フォルトへのオマージュ作品。
エベラール創業125周年記念『エクストラ・フォルト・ルー・ア・コロンヌ・グランデイト』
「125周年」を表す数字を文字盤上に表現したこの限定生産モデルは、コラムホイールを備えた機械式ムーブメントを搭載。
ブランドの歴史を称えるモデルに相応しい美しくエレガントな仕上がりです。
『エクストラ・フォルト・ラトラパンテ』は、フライバックとコラムホイール機構を備えた高度な技術を持つモデル。
これらのコレクションに新たに加わったのが、コラムホイール機構を備えた新しい『エクストラ・フォルト・クロノグラフ・グラン・タイユ・ルー・ア・コロンヌ』です。
日本フォーカス・コレクション『エクストラ・フォルト・グラン・タイユ・ルー・ア・コロンヌ』
『エクストラ・フォルト・グラン・タイユ・ルー・ア・コロンヌ』は、『エクストラ・フォルト』コレクションに共通する普遍的な優美さと個性を保ちつつ、コラムホイールのクロノグラフを搭載した、機械的な観点からも洗練されたモデルです。
なお「GRANDE TAILLE」はフランス語で「大きいサイズ」、同じく「ROUE À COLONNES」は「コラムホイール」を意味します。
50m防水の41mmステンレス・スティールケース。
時計製造の歴史からインスピレーションを得たクラシックなデザインの文字盤が特徴。文字盤には様々なバリエーションがあります。
文字盤には縦線模様の装飾(フラッペ仕上げ)、マーカー部分とカウンターにはスネイル仕上げが施された高級感ある仕上がり。
クロコダイルストラップまたはステンレス・スティールブレスレットをお選びいただけます。
日本フォーカスコレクションは以下の3モデル。
黒文字盤に白カウンターのシックなモデル。通称:黒パンダ
白文字盤に黒カウンターの「パンダ」
クラシックなステンレス・スティールブレスレット仕様
なお『エクストラ・フォルト』は日本フォーカス・コレクション以外にも複数のラインナップがあります。以下、代表モデルをご紹介します。
技術と気品を融合させた径41mm『エクストラ・フォルト・グラン・タイユ』
ケース径39mmでシースルーバックの 『エクストラ・フォルト・ビトレ』
3カウンターでシースルーバックの『ルー・ア・コロンヌ・グランデイト』
シンプルな3針モデル『エクストラ・フォルト・オートマティック』
時計業界に初めてスポーティ・エレガントという概念を導入し、1940年代の発表時からの魅力はそのままに豊かに発展し続けてきた『エクストラ・フォルト』。
80年の歴史を持つオフィサーズ・ウォッチの佇まいを、ぜひ店頭でご体感ください。